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 Pursuit Arc-en-ciel

          (アルカンシェル )  

      2023   

 

 

 日本ワイン史上

    前代未聞・・・!?

 

 

アルコール15% 

          日本ワイン

 

 

 

 

これまでの日本ワインの常識を覆す特別なワイン誕生!

*ブドウを干す、凍らせる、貴腐(灰カビ)菌を植菌するなどして糖度を高めたワインを除き

 

 

2023年、長野県東御市八重原の風土だからこそ、生まれた特別なワイン 

Pursuit Arc-en-ciel  2023

 *裏ラベル 右下、虹を意味する5色のストライプが目印です

 

豊かなボリューム感。ワインとしては高めの15%のアルコール度数ながらもアルコールの突出感を感じさせないトータルボリュームの大きさが特徴です。

 

八重原のテロワール、ここに極まる!

 

 アルカンシェルの名を冠する

特別なワインが誕生したのには訳がある。

 

*どうしてアルコール15%の日本ワインが誕生したか

 

ご存知の通りブドウの糖度とワインのアルコール度数は直結します。

糖度の高いブドウから造られるワインほどアルコール度数は高くなります。

 

(ブドウに含まれる糖分が酵母の働きでアルコールへ変化します)

 

なぜ、日本全国にたくさんブドウ畑があるのに496ワイナリーの畑だけ

そんなに高糖度のブドウが実ったの

 

2023年、弊社のブドウ畑では

①例年にない大きな昼夜の気温差の継続

②例年にない少雨による水分ストレス

③例年にない収穫量の抑制

などの要因が重なり合って非常に高糖度のブドウが収穫できました。

 

 

   高糖度の決め手は昼夜の気温差です。

 

昼間は暑く、しかし夜間は涼しい。

この相反する条件に高度に適合する場所は日本の国土には存在しません。

例えば高アルコールのワインの産地として有名なカルフォルニアのナパバレーのような気候(昼夜の気温差が非常に大きく乾燥している)の場所は日本には存在しません。

故に、通常、これまでラベルにアルコール度数15%と表示される日本ワインは生まれてきませんでした。

 

弊社、ブドウ畑は日本国内の産地では比較的に昼夜の気温差が大きいと言われる長野県の東信地域内でも特に昼夜の気温差が大きい場所です。

 

 

*なぜ、長野県の東信地域は他の都道府県に比べて昼夜の気温差が大きいの?

 

それは海から遠く、標高がある場所だから 

 

海は温まり難く(昼間)、夜間は冷め難い

長野県東信地域は、本州で太平洋からも日本海からも最も海から遠い内陸のエリアです。

海は陸地に比べ昼夜の温度変化が少なく、陸地は昼夜の温度変化が大きい。

海から遠く離れている場所ほど海の影響が少なくなり、気温差が大きくなるのです。

海から最も遠い長野県東信地域は、昼夜の気温差が生じ易いエリアなのです。

内陸性の気候=昼夜の気温差が生じ易い。晴天率が高く空気が乾燥し年間降雨量が少ない

 

 

標高が気温差を生む

また、長野県は都道府県別の平均標高が全国一高く、標高による昼夜の気温差が発生し易い。

標高が高いと空気の密度が低いので放射冷却を起こしやすく、昼夜の気温差が大きくなるのです。

弊社、ブドウ畑は標高660m~700mにあります。

 

弊社のブドウ畑は海からは遠く、適度な標高があり、昼夜気温差を生む要件を兼ね備えた場所であることが分かります。

 

ワイン用ブドウに求められるもの

一般的に生食用のブドウは酸味は弱く糖度が高いことが求められますが、ワイン用ブドウは糖度が高いだけでなく酸味もあることが求められます。

栽培好適地は少ない?

冷涼な(標高が高い、緯度が高い)場所では糖度が上がりにくくなり、逆に温暖な(標高が低い、緯度が低い)場所では酸の保持が難しくなる。

相反する2つの条件を満たす境界域の限られた場所がワインブドウ栽培好適地です。

 

 

*なぜ、東信地域の中でも特に496ワイナリーの畑は昼夜の気温差が大きいの?

 

地形(日照の方向)の違いが大きな気温差を生む!

 

強い西日を受けない、南東に向いた地形だから

同じ東御市内でも千曲川右岸(北岸)は街全体のベースが緩やかな南西向き傾斜地であるのに対して、弊社の位置する左岸(南岸)のブドウ畑はベース自体が南東向き傾斜地であるため昼夜の気温差が大きい。

西向きの傾斜地では気温の上がる午後、強い西日で照らされるので地面が温まり夜温が下がりにくくなる。

 

また、高品質なブドウが収穫できる畑の条件として、強い西日に照らされると果実、自体も熱を帯びてしまい品質低下を招くと言われていて世界一の畑といわれるブルゴーニュの黄金の丘は強い西日を受けない東向き傾斜地である。

 

強い西日を受けるとワインに大切な要素である酸を保持したまま糖度を高めることが難しくなるのである。

 

夏季に日照時間がフランスほど長くない長野県ぐらいの緯度では、真に東向きでは日照量が不足するので南東向きの傾斜地が最良とされる。

 

2023年の収穫期、9月に入っても連日30℃を超える厳しい残暑が続きました。

他方、この年の当園では夜間は秋らしく涼しくなる日も多く好天に恵まれ飛躍的にブドウの糖度が高まりました。

 

 

 

*リスクとリターンは隣合せ。

 

昼夜の気温差が大きいのは良いことばかりではありません。

 

栽培好適地であるがゆえの逃れられない宿命!

 

下の10分データは、千曲川左岸、弊社のブドウ畑(八重原 標高660m)に設置されている観測機のデータです。

(2024年5月10日)

 

 

凍霜害後

首をうなだれ枯れたブドウの新芽

 

 

下の写真は凍霜害の前々日

(5月8日撮影)

生きよいよく天に向かって伸びています。

ちなみに、凍霜害の当日、標高が300m以上高い軽井沢よりも、東御市八重原(千曲川左岸)の方が最低気温が低かったのがわかります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千曲川右岸、東御アメダス・気象庁のデータ

 

 

例年、多少の霜害が発生する当園ですが、2024年の春(5月10日)は大規模な凍霜害に見舞われました。

この日、日本列島は寒の戻りとなり全国的に冷え込みが強まりました。

東御アメダス(右岸、標高958m)を参照ください。

 

ご覧のように右岸のエリアでは弊社のブドウ畑(標高660m)より標高が高いのにも関わらず氷点下までは下がりませんでした。

(最低気温プラスの1.1℃)

 

 

一方、当園では夜中の2:00頃には氷点下となり5時過ぎに最低気温は-1.4℃まで下がりました。

通常、標高差だけならば2℃程度は高くてもよいはずですが、実際には標高が低いにもかかわらず逆に2,5℃低くなりました。

他方、最高気温は弊社ブドウ畑の方が2℃ほど高くなりました。

 

このように弊社のブドウ畑は特に大きな昼夜の気温差を生む場所であることがわかります。

 

 

 

霜道(しもみち・霜の害にあい易い場所)は、むしろ恵みの証

通常、悪く語られることが多い用語ですが、霜道=気温差が大きい場所、ワイン用ブドウにとっては歓迎すべき場所でもあります。

 

 このように昼夜の気温差が大きい畑だからこそ Arc-en-ciel 2023(アルカンシェル)は生まれたのです。

 

 

 

*なぜ、昼夜の寒暖差が大きい方が糖度を高めるの?

 

ブドウだって夜、暑いと寝苦しい・・・?! 夏バテ?

 

全般的に日照のある昼間の気温がある程度高い方が糖度を高めます。

(光合成が活発=エネルギー蓄積が大)

*糖度を高めるには酸が減少するが収穫時期を遅らせるのもある程度は有効です。

 

昼間に光合成でエネルギーの蓄積を行い、光合成を行わない夜間は呼吸(酸素活動)だけで消費となります。この時、気温が高い状況下では呼吸がより活発になり昼間に光合成で蓄積したエネルギーをより多く消費してしまうのです。

 

近年、夜温が下がらないためブドウが色づかない着色不良が問題となっていますが、これも夜温が下がらないためにエネルギーの消耗が大きく、着色するためのエネルギーに振り分けることができなくなった結果です。

夜温が高いとエネルギーの浪費が起こる=樹体維持だけで精一杯という状態=着色するためのエネルギー不足になる。

夜間、暑いままだと消耗してしまい、効率的に糖分の蓄積ができなくなる。

 

 

   水分が抑制されると膨張、希薄化せずに凝縮した果実となる。

日本の国土は海外の乾燥した地域に比べ雨が多く湿度が高い気候です。多雨、多湿の日本でブドウはあまり水分ストレスを受けることがありません。これも日本で高糖度のブドウの収穫が難しかった理由の一つです。

 

2023年、夏場~収穫期、当園は例年に無い少雨でした。畑には随所にひび割れが発生するなど例年にない乾燥状態でした。

近隣で雷鳴が轟いてもポツリ、ポツリ程度の事が多く大地を湿らすほどにはなりませんでした。

 

強粘土の特性が発揮される

また、強い粘土質の土壌は乾くと水を弾く性質があり、少量の降雨では表層を濡らすだけでブドウの根がある地中まで到達しませんでした。

(信州大学設置の土壌水分計データより)

 

稀なほどの少雨だった2023年秋の八重原。

そして、その少量の雨さえも地中深くまでは浸透させない畑の土壌特性が糖度を高めた。

 

※日本では有数の年間降水量の少ない(内陸性の気候)エリアですが、例年ですと夏場2~4日程度に一度は大地を湿らすほど降る事が多い。

 

 

   着果量の抑制(制限)作用。少ない実にエネルギーが集中。

 

災い転じて福となす

たくさんは収穫できませんでしたが・・・

 

2023年の当園では開花期~幼果期の段階で病気となり着果量が例年よりも大幅に減少いたしました。ただ、その後の収穫期までは好天に恵まれ残った果実は良好な状態で収穫することができました。

着果量の制限と言っても収穫期に病気となり減少するのでは品質の向上は望めませんが2023年のような状況ではエネルギーが分散することなく残った果実にエネルギーが集中し品質が向上いたしました。

 

 

上記のような稀有な要因が重なり合って特別な日本ワインが誕生しました。

 

この奇跡的な偶然から誕生したワインを

「Arc-en-ciel(アルカンシェル)」

と名付けました。

 

*アルカンシェルは虹(レインボー)を意味します。

自転車競技の世界選手権チヤンピオンには青、赤、黒、黄、緑のストライプのジャージ、マイヨ アルカンシェルが授与される。(5色は5大陸を現す)

 

今後、温暖化により更に残暑が続いても、夜間もあまり気温が下がらない日が増えると推測されます。(2024年は2023年を上回る残暑でしたが、夜温も高い日が続きました)また、今後も奇跡的な少雨の年もあるでしょうが、むしろゲリラ豪雨など多雨の方が増えるのではないかと懸念されます。

 

 

このアルカンシェルと命名する特別なワインは2023年ヴィンテージが最初で最後になるかもしれません。

 

 

 

 文中のように収穫量が少ないので通常の年に比べて生産本数が少ないのでご注意ください。

 

あなたはこれまで味わったことのない未知の日本ワインと出逢うことになる。

 

 

Arc-en-ciel (アルカンシェル )2023

長野県東御市八重原の風土だからこそ生まれた特別なワインをご堪能ください。